アメリ/ジャン=ピエール・ジュネ

  見終わった後にきゅっと恋人の手を握りたくなる映画。これに尽きる。もっとも、なぜそこまでセックス描写を織り交ぜるのかは謎。メルヘン過ぎる世界に、ある程度の汚さを織り込みたかったのか、あるいは、セックス自体をメルヘンに描きたかったのか。ともあれ、監督の頭の中にある世界を、映画という手段(メディア媒体)を使って表現した映画だ。実に「非現実的」な映画。アニメ的な映画。パリの町並みはパリの町並みではなく、パリの町並み的なもの(監督の頭の中にあるイメージの再現)となっている。だからこそ人は現実を忘れて、幸せな世界に浸ることができる。これは良い面だ。一方、非現実的だからこそ、実際画面に映っている場所から外へ、空間・意味はあまり拡がっていかない。現実に対してひらかれた映画ではないので、映画の中で世界が完結してしまっている。それは映画の可能性を狭めていることでもあるけれど、もちろん、それはそれで見事であり、素晴らしく、しばらく幸せ感に溢れた。(’02 2/23)

78点

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