恋のエチュード / フランソワ・トリュフォー

 1972年。「処女」の扱い方に度肝を抜かれた。思想的にいえば、処女は必ず、妄想のふくらみと現実による貫通=出血を伴う。キリスト教的背景が強ければ強いほど、処女性は人間のターニングポイントを担う決定的な契機となる。一夜が過ぎて、真っ赤に染まったシーツ。初夜は心の空隙を満たす=襲うものであったのだが、同時に、長年想い抱いてきた恋の精算を行うことでもあったのだ。あなたに抱かれてはじめて、あなたに長らく抱き続けた失明するほどの想いは流れ出たのだ。真っ赤な血となって。そして彼女は一人で歩き出す。

91点

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