DUEL / スティーヴン・スピルバーグ

 1971年の作品、邦題は『激突!』。ニコニコ動画のリンク。個人的に、「スピルバーグの才能はやっぱり凄いなぁ」と感じたキッカケになった映画。(ちなみにこれはスピルバーグの初監督作品)

 まっ昼間、恐怖のトラックに襲われた乗用車…の様子を描いた映画。これの凄いところは、【大型機械への恐怖】を見事に描いているところだと思う。たとえばコンビナート、ダム、貨物列車、大型トラックなど、人間が生み出した巨大な機械に対して、多くの人が憧れと同時に恐怖心を抱いていると思う。機械が突然自分を襲いはじめたらどうなる?という恐怖心。そんな人間の心の闇が、素晴らしいカメラワークで、見事に映像化されている。

 あと、この映画は、一見ホラー映画のようでホラー映画ではないところも重要なポイント。乗用車を襲うトラックの運転手の存在は暗示されているものの、誰が運転しているのかは決してわからないようになっている。この【自分を襲ってくる主体】に対する距離感の取り方が絶妙。もしトラックの運転手がいないことになれば、「機械が人間を襲撃する」というただのホラー映画になってしまう。他方、もしトラック運転手の存在がきちんと描かれてしまえば、「誰かが誰かを殺そうとしている」というただの殺人モノのアクション映画になってしまう。自分を襲ってくる主体が誰なのかが限りなくボカされているがゆえに、嘘くさいホラー映画ではないリアルな文脈にて「機械が人間に与える恐怖感」を巧みに演出できているのだと思う。お見事!

85点

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