3 月 29

 1988年。観てから随分だったので、感想は書けないが、映画好きならこの監督を確実にチェックしておくべし。美しくて濃いんだよ、ばかやろう。

83点

3 月 29

 1966年の作品。マイケル・ムーア『華氏911』の元ネタ的存在。ブラッドベアリの原作を見事に映像化したもの。「華氏451」とは紙が燃える温度のこと。「焚書坑儒」やナチスの禁書など、圧制には常に「書物を焼くこと=想像力を奪うこと」が伴う。この映画に出てくる「fireman」は消防士ではなく本を焼く職業人(fire/man)だ。本が見つかったと通報されると直ちに焼きに行かねばならない。政府は問いかける。想像力は人を不幸にしているのではないか。現実に起きていないことを考えさせてしまう書物など、人を不幸/愚鈍にするだけではないか。どれだけの書物が人を悩ませ、あらぬことまで思い至らせ、動揺させてきたのだろう。想像の世界に沈溺する必要がどこにあるのか。この問いかけはわたしに重くのしかかる。決して「思想弾圧を扱った映画」などと社会的に観ることはできない。根源的に「想像という営み」を問う映画だ。禁じ手だが、春樹を引用することで答え(仮)にかえよう。――In dreams begins the responsibility.

85点

3 月 29

 文句なく傑作。この種の繊細さには眩暈すら覚える。1958年の作品。

87点

3 月 29

 ミュージカル映画。つまり、せりふはすべて歌。愛した彼が戦争に出かけ、待てど暮らせど還ってこない。登場するもう一人のイイ男。もはや交差しなくなった二人の道。彼はやがて還ってくる。が、それぞれがお互いを知らずに生きている。クリスマスも近い頃、ふたりは雪の中、ふたたび冷たい吐息を交わす――。 musicを担当するのはかのミシェル・ルグラン。って書くまでもなく超有名な作品ですが、なぜ今まで観なかったのかと悔やむほどのクオリティ。カトリック・ドヌーブの想像を絶する美しさに股間が立つのも忘れ、陽気さと哀愁がせめぎあう最高なルグラン・ミュージックに心躍らせていれば、画面にはなんとも鮮やかなTechnicolorの色遣い。とにかく観やすい。また、とにかく「面白い」。評論するのも馬鹿らしいほど、映画好きにも、ハリウッド映画しか観ない人にも、おすすめ。これを超えるミュージカル映画はあり得るのか?これを観て損したと感じるヤツがいるのか?

95点

3 月 29

 これも公開中。ってか恵比寿ガーデンプレイスの公開はもう終了したのかな?これ絶対におすすめ。イイ。恋と愛と喪失を、ひたすら登場人物二人の語りで進行させる。語りっつっても回想シーンとか入るわけじゃなくて、ただ、パリの街角をしゃべりながら歩いてるとこを映すだけ。それだけ。あ、一軒だけカフェに入ったか。それだけなのに、それだからこそ、言葉から零れ落ちる余剰が際立つ。ラストシーンも秀逸。見に行け!見に行け!

85点

3 月 29

 これって「全米が泣いた」とかゆって今公開中でデート利用中心に流行ってるわけですが、付き合いで観たら案の定つまらんかった。タイタニックをしのぐ退屈さ。言葉なし。あとChemistryは氏ね。

40点

3 月 29

 これゴダールで一番好きかも。なんといってもアンナ・カリーナ。映像の強度が凄い。この名カット、どっかで観たことないかな?ほんとコレに尽きる。

90点

3 月 29

 別名、『蛮族の侵入』。邦題はクソだが、掘り出し物だ。凄まじく観やすくてかつ深い映画。アカデミー賞受賞に監督は不満を持っていたようだが、まさにカンヌ的/アカデミー的要素が監督の力量によって一点に収束してしまった映画だ。つまり面白くかつ深い。なぜならストーリーラインがはっきりしているけれども物語が多方面に拡散しているから。末期ガン=死が医師により宣告され、父親が死ぬまでの数週間の物語。その間にさまざまな蛮族が侵入してくる。父の教養と無邪気な馬鹿さへ、息子の経済力と目的合理性が侵入する。9.11が暗示するアメリカ帝国への蛮族の侵入。日常の理性へのドラッグの侵入。通底奏音として流れる人から人への愛、男から女へ/女から男への愛。セックスも含めた結びつき。だがとにかく、父親が最期に息子に放つ言葉が限りなく美しく、それがカタルシスをもたらす。

――「おまえみたいな息子に育てろよ」

89点

3 月 29

 ゴダールは大好きな監督だが、この映画にはゴダールの駄目な部分が集約されているように感じた。映像の強度もコラージュもセリフもプロットもいまいち。唯一救いなのは、ジャン=ピエール・レオの演技とシャンタル・ゴヤの仕草&声。こーいうの、タイプだわ。

70点

3 月 29

 黒澤明に敬愛を注ぐインドの名監督、サタジット・レイの名作。寓話的ではあるが、痛いほど母と子の原初的な関係を抉り出している。独特な脅迫感のある映像と音は、黒沢の影響をたしかに感じさせる。本当に痛い映画だ。母と子の間には、原初的負荷が存在している。それが二人を互いに狂わせる場合も多々あるが、この映画は、ただただその原初的負荷を象徴的/寓話的に描き出す。

96点



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